１つ引くと
何か別のものが入ってくる

身体と声を切り離して
受け取ったときに
感じられる声の物質性

人の演奏を模倣することで
自分との差異を見出し
境界を意識化する

人の論文を直すとき
かつて自分の論文を
直してくれた人の筆跡になる

もう一人の自分を
作るということは
「受け取ること」

利他の問題は
与えることではなく
受け取ることがすごく難しい

外国語を学ぶことは
自分の中に別の自分を作り
絶え間なく行き来すること

いろんな人との関わりの中で
いろんなものを受け取って
自分ができている

自分と他者、光と闇、
個と全体の間にある
境界をいかに広げていけるか

トンデモ話を
書く人じゃないと
どこか信用できない

「生命」を考えていくのに
「思考」だけでは何か足りない

体に痛みを抱えている人は
ネットワークの意識の仕方が
すごく面白い

私たちの意思の外部で
何かが動いているという
世界を捉えることが重要

究極的には「個」
というものは、
たぶん、ない

私たちはいったい
何を知ることができるんだろうか
ということが大きな問題

「生と死」の問題は
生物全体で見たらそんなに
ガチッとした概念ではない

宇宙においては
贈与が自然の行為のように
なり得るのかもしれない

生命の本質は
実は「殺生」ではない

どこまでわかれば自分で
「わかった」のかっていう答えを
つねに探している

私たちは偶然なるものである
というのが利他には重要

たまたま
運のいいやつが生き残った
っていうのが正解じゃないかな

どうしてそんな
うまいこと進化したのかな
っていうのはわからない

植物って
人間から見ると止まってるけど
中ではものすごく動いてる

外と隔絶していたら、
生命はなかなかうまくいかない（笑）。

生命の誕生そのものに
囲いを作りました、
というバリアとして必要なのが「膜」。

視覚障害を持っている人は、
周りの人との関係の中で
「見えている」。

「膜」は、
分かれているんだけどつながっている、
とても不思議なもの。

ヒンディー語で「明日」と「昨日」、
「明後日」と「一昨日」は同じ単語。

「分解」は「合成」と
同じくらい大事。

「オートファジー」は
シヴァ神じゃないか、
と思えるようなところがある。

「知ること自体が楽しい」
ということをたくさんの人に
表現するもの、それが科学

たくさんの人が
科学的であること。
それ以外に人間の未来はない。

利他を「利他」と
呼んだ瞬間に
利他がこぼれていく

小説とは、それを読むことに
よってしか立ち上がってこない
「何か」のこと

自然言語はあまりにも
雑なものであると同時に
メタファーとしての何か力がある

体から見たとき
自然言語は精度としては低いもの。
でも使える

勝負のときに出てくる
人間の知性の神秘的な部分に
いったいぼくらは
どうやって迫れるんだろう

「理性」というのは
人間の知性のある特殊な
一定の状態だと思っている

理性で考えていくと
出口がない
破壊的創造性みたいなものが
とても大事

これ、負けるかもしれないけど
この手、指したい

相手から来たものに
どう反応するか
によって何かが生まれる

考えたことのなかったような
一手を指せたことのほうが
喜びが湧く

もしかしたら
私たちがたくさん学ぶのは
敗者のほうからかもしれない

人間が「この辺が人間」って
思ってる領域の外部がある

AIの登場によって
本当に人間にしか
書けない小説が浮かび上がってくる

AIには、人間が持っている
ポテンシャルを発揮させる
ツールとしての可能性もある

人間にしかできない創造とは
「評価値の低いものの先」を
探ること

「今日はこっちに行ってみよう」
という選択ができるときは
調子がいい

まともなものは
マイノリティ

今の時間軸の短さを超えたい
時間軸を伸ばすと
偶然性が入るスキができる

僕たちはある一定の間
デカルト的な時間を生きさせられ
高齢者になったら赤ん坊の時のように
それから開放されるのかもしれない

ものすごく影響を
受けた人の講演の
話の内容を
まったく覚えていない

メロディは聞くけど
歌詞を聴こうとしないほうが、
その音楽が入ってくる

患者の話を
聞きすぎないことが重要

身体は、偶然与えられるもの
生きる過程で
それを必然化していく

“利他学”があるとすれば
常識を延長するのではなく
ひっくり返すものでなければ

細胞レベルでも
利他ってことはおそらくある

合理性で論じきれない
ものの中に大切なものがある
という手触りがある

人間
死んでからが人生

真摯さを持ち寄れば
“伝達モード”は崩れ
自他の関係が変わる

失礼じゃない仕方で
人の身体に触れる方法論を
我々はほぼ持っていない

自分の生前
死後もこの世界は
続くということを受け入れる

自／他という
ものがなくなるのが
利他の始まり

計画は
クリエイティビティを
失わせるかもしれない

win-winとお互い様は
ぜんぜん違う

面白いことをやっていれば
利他につながる
まともなことはすべて利他

自分は器で、何かを媒体するもの
私という存在が贈与されたもの

愛が私のもとへ
来てとどまっている

物は贈与される
ことを欲する

人間だから、われわれは助け合うのだ
それに対して礼をいわれるのは好まない

他者なるものを
「似ている」者として考える

小説によって実現し
光を浴びて輝くのは
作者ではなく世界、外界の側

「利他」の行為は
深度が深まるほど
「利他的」には映らなくなる

未来の人類に
「利他」という精神は
意味を持つのだろうか

目先の判断ではなく
息の長い思考
ひとつの正解ではなく
多様な知恵